2012-04-23

Dior ART Exhibition@Ginza





昨日オープンしたクリスチャン・ディオールのアートエキシビション『LADY DIOR AS SEEN BY』のオープニングイベントに行ってまいりました♪  あいにくの肌寒いお天気、小雨も少し降っていましたが、銀座の会場は集まった人の熱気で暑いくらい。会場にはディオールのアイコンバッグ「LADY DIOR」をモチーフに様々なアーティストが製作した作品が展示され、参加アーティストの宮永愛子さんと作家の朝吹真理子さんのトークをBGMに作品を鑑賞*  オブジェ、写真、映像作品などいかにも現代アートといったスタイリッシュな作品からくすりと笑ってしまうもの、ただただ美しさに圧倒されるもの.....70名に及ぶアーティストが表現する"LADY DIOR"のイメージはバラエティに富んでおり、とても見応えある内容でした。



写真と立体作品が展示された1階スペース。





バッグの製作行程が見られるタッチパネルはまるで博物館展示のよう !!




大理石やガラスを使ったジュネーヴ生まれの現代アーティスト オリンピア・スカリーが出品していた2つの作品は、どちらも硬質なはずの素材に質感のギャップを感じる印象的なアプローチ。トークショーでも朝吹さんがこのエキシビションにおける"質量"というキーワードについてお話ししていましたが、スカリーのこの作品は、何の解説も無くてもダイレクトに視覚へアプローチするという点において実に見事でした(*o*)






大理石のざらりとした質感から、石と分かっていてもまるでエナメルレザーのような錯覚を起こさせるバッグ部分とのコントラスト。高度な研磨とグレーヴィング技術のなせる技でしょうか.....このステッチ部分の表現もため息が出ます*



もう一点、案内状にも使われていたガラスの作品。







破裂したバッグの穴から覗くと、内部の小さいチャームがちらり。乳白色のガラスが不思議な美しさです....(*w*)







地下フロアでは映像作品を流しており、デヴィッド・リンチやJ.C.ミッチェルら映画監督の手がけたショートフィルムを数人がけのボックスシートに座って至近距離で観る事が出来ます。フィルムノワールのようなサスペンス仕立て、コメディ等どれも5,6分とわずかな時間ながらそれぞれの世界を楽しめます*


こちらはサスペンスタッチの「Lady Noire Affair」。




上映されていたショートフィルムの中で秀逸だったのが「Lady Grey LONDON」。マリオン・コティヤール扮する"Lady Grey"が絵描きの青年にインスピレイションを与えて去るクライマックスのカメラワークと音楽にはぐいぐい引き込まれ、思わずうるっときてしまいました(>u<)




また、色や柄、チャームをカスタマイズしてMy "Lady Dior"を疑似製作出来る最新のデジタルツールも。模様がちょっと分かりにくいですが、パープル×クロコでカスタム♫




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< LADY DIOR AS SEEN BY >
 
  ~5/20
まで  銀座・和光並木館
1F 11:00~20:00 





2012-04-17

Maman is found !!



Middle of April. It is time the cherry blossoms started to fall, 
it also everyone starts to get used to new environment & life. Today, one of my child is preparing the depart from the atelier. 

4月も半ば。桜も散り始め、そろそろ新しい環境や生活にもなじんでくる時期ですね。今日はアトリエから旅立つおちびさんのお支度中です。




This series called "ADOPTION" were designed by a concept —
 —"adding hands and feet to the organic pearl, giving lovable life to these jewels. Each creatures have individual characters, they go on a journey looking for  a person who will adopt them and become a Maman."
This one was adopted by new Maman last weekend, so she is equipping for her new life*


「ADOPTION」というこのシリーズは、"真珠に手足の生えたいきものが、ママンを探して旅をする" というコンセプトでデザインしたネックレス。
パリサロンに出品したアートピースということもあり、一人一人真珠の色や手足のパーツも全て異なる「個性」を持っているのが特徴です。この写真の子はママンが見つかりましたので、Adoption(養子縁組)成立というわけです* 





 



Pale orange sherbet colored petite baroque pearl.... cling to the neck of new Maman, looks like this♫
and this month, there is another "adoption"  decided.

hope they will be happy in each new home.
Bon voyage !!


淡いシャーベットオレンジの、バロックパールのおちびさん。新しいママンの首に抱きつくと、こんな感じに♫  今月はもうお一方、別のピースにママンのお申し出があり、だんだんとアトリエからおちびさん達が去っていくのはちょっと寂しいような、嬉しいような。新しいママンと一緒にお出かけしたり、きっと可愛がって頂けることでしょう*(^_^)

2012-04-03

Le vért séduisante - 悩ましい緑 -



A stormy wind has brought a whiff of spring...we've  already seen this S/S season's trend on the web or fashion magazines since last Fall,(quite a long waiting!)  but finally we got a realization to enjoy it. Pastel tone, nature-mixed graphics prints.... omitted fashion trends already well-known, I'd like to checking about jewelry.



個展が終わり、季節もようやく春の気配を感じるようになりました。昨年秋に編集していました春夏トレンドも街にあふれ始め、ようやく実感がわいてくる頃です♫
全体のスタイルやシルエットは多様化していますが、特にカラーはそのシーズンをわかりやすく表現出来る大きな要素。今季はベビーピンクに代表される甘く柔らかいパステルトーンや海をモチーフにした鮮やかなグラフィックプリント、ボタニカル(植物画)柄が多く見られる背景には、やはり自然の優しさを求める気分が流れているのでしょうか。






Pink coral and pearl gems reminiscent of the sea. In the motifs we can  see some calm shaped charms as flowers, plants, even cute plump vegetables....
Potentially we need to wearing a piece of nature. don't you think so? And, you shouldn't miss out "Green" in the high jewelry market for similar reasons. Especially, a few huge emerald of high quality can reflect quietly the scenery of deep forest inside of  themselves.
Now, in our studio, a Haute couture jewelry making with a big emerald is in progress. It's a quite fabulous size, moreover the color is very beautiful....glossy green with moisture, it has a mysterious witchery to give healing to to all who see it. I'm absolutely charmed by this slightly bluish green*



そんな気分に連動するように、ジュエリーにも海を思わせるピンクコーラルやパールの素材、モチーフでは花や植物、野菜(?)などをかたどった、ぽってりと優しいチャームがでてきています。
そしてハイジュエリーでは鮮やかなグリーン。上の写真は、カラークリッピングをしていて気になった"VOGUE Gioiello"の特集です。上品な翡翠色やツァボライト(グリーンガーネット)のネオングリーンも素敵ですが、何といっても上質なエメラルドの青みがかった穏やかな緑色には吸い込まれるような魅力があるのです。

実は今、工房でもエメラルドのクチュールジュエリーを製作中です。メインストーンとなるのはまるで大きな飴玉のような、滅多にお目にかかれないサイズのエメラルド。自然な内包物が奥行きを感じさせる艶やかな緑色には深い森の露を凝縮して閉じ込めたような、何ともいえない潤いがあり、それは人工物では決して作り出せない神秘的な美しさなのです。デザイン中にうっかり見つめて時間を忘れてしまう...なんていう事も何度かあった程 (^_^;) 
宝石のもつ魅力に抗いつつ(笑)その美しさを充分に引き出すにはどんなデザインが良いのか頭を悩ませるなんて、本当に幸せな仕事をさせて頂いていると実感する瞬間です。そして出来上がったスケッチからたった一つのデザインを選んで頂く顧客さまから「悩ましいわ」と仰って頂くのもまた、嬉しいもの♪ 最終的に、決まったデザインでどう組み立ててゆくか、一番頭を悩ませる事になるのは職人さん達なのですが...(笑)