2017-07-23

リ・デザインという考え方


梅雨も明け、陽射しが日毎に強く感じます。
今日は「大暑」、今年も厳しい暑さの到来になりそうですね;;;
皆様くれぐれもご自愛くださり、涼しい夏をおすごしください♫


Wishing you are all in good health despite it being the height of summer !!




アトリエの近況なども少し。
下の写真は、先日お納めしたクチュールデザインのペンダントです。
ご依頼主のマダムがお持ちになったのは、かつてアントワープで購入されたという1カラットダイヤモンドの両側にバゲットカットのエメラルドをあしらった、とてもモダンなリングでした。オーセンティックな作りの中に当時の日本では見かけないであろう斬新な配色はマダムご自身のご希望だったそうで、今は指輪をあまり着用されないため、ペンダントに、というオーダーでした。すっきりとした現代的なファッションがお好みの彼女に提案させて頂いたのは、シャープで構築的なイメージ。そして最終的に、今回は色石やメレダイヤも一切使わずダイヤモンドの白さと輝きが引き立つよう敢えてプラチナのみをたっぷりと使い、デコルテに迫力を持たせるデザインにいたしました*








余談ですが、アトリエ ウ ピエ ド ラカンシエルでは一般的に言われる「リフォーム」というグルーピングはせず、お客様のご希望のデザインでお作りするもの全てを「オートクチュール」と位置づけております。ウェブサイトをご覧いただいている方はお気づきかと思いますが、オートクチュールのページの中に "Awake your heritage ( アウェイク・ユア・ヘリテージ )" というテーマでご紹介していますジュエリーは全て、お客様のお持ちの宝石を用いたものです。

元々、王侯貴族の資産や権力の象徴だった宝石を身に着ける為生まれたジュエリー。中には持ち主とともに埋葬されるものもありましたが、その多くは代々子孫に受け継がれるため、世代が変われば所有者の好みに合わせてデザインも変えてゆくのはごく自然な事だったのです。

よく、ご相談に来られる際にリフォームだとデザインに制約があるのでは(例えば決まったフレームにセットする、まわりに脇石を足すetc.)とのお問い合わせを受けますが、元の枠から問題なく外せる状態であればその宝石を元に、お作りしたいジュエリーのイメージやお使いのシーンを伺い、いちからデザインを起こしてゆきます。
ですのでアトリエでは、単に形を変える、というニュアンスのリフォームよりも「Re: design」(リ・デザイン)という表現を使っております。(リフォームよりも少し言いにくいのですが、小さなこだわりでしょうか^^)
クローゼットや宝石箱の奥に仕舞われている宝石を、リ・デザインする事で日々あるいは特別な日に楽しんで頂けるジュエリーに甦らせる。 "Awake your heritage" にはそんなコンセプトが込められています*